○○=「量」ではなく「設計ミス」
「ボトックスって、やると顔が動かなくなるんですよね?」
これは初診カウンセリングで本当によく聞く言葉です。
SNSやテレビで見る極端な例から、
“無表情になる治療”というイメージが一人歩きしていますが、
実際の臨床現場では、ボトックス=表情が固まる治療ではありません。
表情が不自然になってしまうケースの多くは、
薬剤そのものではなく「注入設計」に原因があります。
具体的には、
・必要以上の量を注入してしまった
・本来、動きを残すべき部位にまで打ってしまった
・患者さんごとの表情のクセや筋肉の使い方を十分に見ていなかった
といった要因が重なった結果、
「動かない」「不自然」「怖く見える」仕上がりになってしまいます。
ボトックスは筋肉を完全に止める治療ではなく、動きを“弱めてコントロールする治療”です。
そのため、誰に・どこに・どの程度効かせるかの見極めがとても重要になります。
私たち看護師・カウンセラーがカウンセリングで特に意識しているのは、
「どのシワが気になるか」よりも「どんな印象でいたいか」という視点です。
たとえば、
・きつく見られたくない
・疲れているように見られたくない
・優しそうな印象は残したい
こうした言葉こそが、治療設計のヒントになります。
同じ部位への施術でも、
患者さんの価値観や表情の使い方によって、
量・部位・左右差の考え方はまったく変わるからです。
ナチュラルなボトックスほど、実は難易度が高い。
「やった感がないですね」
「前より印象がやわらかくなりましたね」
そう言われる仕上がりは、偶然では生まれません。
だからこそJSANでは、
単に「打ち方」や「量」を学ぶのではなく、
表情・筋肉の使われ方・患者さんの“なりたい印象”を読み取る視点を重視しています。
✔ なぜその部位に打つのか
✔ なぜそこは“残す”のか
✔ どうすれば自然さを保てるのか
こうした設計思考こそが、
ボトックスを「怖い治療」から「信頼される治療」に変える力になります。