~マナー・身だしなみについて~

美容医療について

皆さん、こんにちは。JSAN(日本美容看護学会)ライターのKです。

私は美容クリニックで約10年間勤務し、採用担当を行っていました。こちらのコンテンツでは、美容看護師として働きたいと思っている方や、美容看護師として更なる高みを目指す方々の教育機関として、美容医療に関する情報をお届けしていきます。

 

美容クリニックでの仕事に興味はあるけど、倍率は高いですか?顔採用ですか?といった質問をよく受けます。採用の際に面接官がどのような事を重視しているのか、実際のところのお話しをしていきたいと思います。

 

美容医療は、保険診療の治療とは違い、客観的に見たら必要のない治療も中にはあります。ですが、美容クリニックで行う治療は、お客様一人ひとりに寄り添った悩み・コンプレックスを解消したり、自分のことを労わるためであったり、心を満たしてくれるものだと私は思います。

“来院して下さったお客様の気持ちを汲み取れる人。”というのは、採用基準の内の一つに当てはまります。

美容クリニックは、今よりも更に美しくなりための場所であるため、働くスタッフも美に対して気を使わなければなりません。そのため、身だしなみ・清潔感・上品さは採用でも重視するクリニックがほとんどです。美容に関連する仕事であるため、美的センスがある方はやはり有利だと思います。

採用基準としては、特別な能力や資格、モデルさんのような外見が絶対条件という訳ではありません。一般企業と同じように社会人としてのマナーや、看護師としての素質を求めるクリニックが多い印象です。では、採用面接ではどのようなところを判断基準とし、どのような人材が求められているかお話していきます。

 

美容クリニックでの仕事

『あなたが考える美容クリニックとは、どのような場所でしょうか?』と、面接で聞かれたら、皆さんなら何と答えますか?この質問に対して、これ!といった正解は無いですが、自分が美容クリニックで働くにあたり自分の言葉で、自分の考えを伝えられるようまとめておくことが前準備として大切です。

美容クリニックの採用面接で、志望動機に必ずと言っていいほど『美容が好きだから』という言葉をよく聞きます。もちろん、美容が好きという気持ちに偽りはないかと思いますが、正直面接官は聞き飽きている可能性が高いです。
他の求職者の方々との差別化を測り、あなたの熱意を面接官に伝えるために、下記のことを意識しましょう。

1.美容医療に対する自分の考え

美容が好きであることは大前提に、どう考えているか。ここが聞けると面接官は、クリニックのカラーに合うかどうか見極めがつけやすいです。また、どんなクリニックが自分に合っているのかわからない方は、自分の考えを可視化することで自分でも受験するクリニックの選択がしやすくなると思います。

2.何故この美容クリニックで働きたいのか

美容が好きであることは大前提に、どう考えているか。ここが聞けると面接官は、クリニックのカラーに合うかどうか見極めがつけやすいです。また、どんなクリニックが自分に合っているのかわからない方は、自分の考えを可視化することで自分でも受験するクリニックの選択がしやすくなると思います。

3.自分はどんなことが出来、クリニックに対してどう貢献できるのか

美容クリニックが未経験者の方も経験者の方も、自分の得意・不得意をしっかり理解しておきましょう。例えば、

・SNS運用が得意

・接客業をしていたことがあるため接遇に自信がある

・〇〇ついての知識が豊富

などといった能力や知識面での得意分野は、クリニック運営を行うにあたり即戦力となるため、欲しい人材だと言えます。

自分が得意なことを自己PRで伝えられるようにしておきましょう。不得意があっても大丈夫です。自分を客観視し、そのために努力している点を話せると問題ありません。

4.美容クリニックで働くために努力していること

これは、美容クリニックに限らず他の企業でも同じではないでしょうか。自身の目標のために努力ができる人は熱意が感じられとても好印象です。

美容クリニックが求める“清潔感”とは

1.第一印象

美容クリニックの求める清潔感とは、皆さんのイメージ通りのもので特別なものはありません。
人の第一印象は3秒で決まる、と言われています。
・髪の毛について
髪の毛のカラーが明るすぎたり、お手入れがなされていないような傷んだ髪の毛であったり、髪がきっちりまとまっていないヘアスタイルは、清潔感に欠けるためNGです。美容クリニックの看護師も医療従事者です。髪が長い方は施術の邪魔にならないようきっちりまとめ、髪色も落ち着いたカラーが好まれやすいです。しかし、クリニックによって規定は違いますので確認してみてくださいね。
・制服について
お客様は自分が思っているより、我々スタッフの事をよく見ています。制服は綺麗なものを着用しているか、靴下は綺麗であるか、ナースシューズの踵を踏んでいないか、名札はきちんと着用しているか。
洗濯後の制服にしわがついたまま着用していませんか?美容クリニックは、保険診療とは違い、自由診療です。綺麗になるために来られる方々がまたここに来たいな、と思っていただけるようなおもてなしや、美容クリニックのスタッフの様に綺麗になりたい。こんな人になりたい。と思ってもらえるよう努めることも大切です。それは、髪の毛や肌だけではありません。身なりを整えきちんと自身の管理ができているかも身だしなみの一つです。

2.メイクについて

クリニックのカラーにもよりますが、基本的にはナチュラルメイクが好まれやすいです。美容クリニックに来られるお客様の中には、とても緊張して来院されている方もいらっしゃいます。話しかけやすい雰囲気、緊張感を与えない優しい雰囲気を作る要素の一つとしてメイクにも気を配りましょう。

自分の好みやおしゃれでするメイクや(奇抜な色のリップ、顔色が悪く見えるようなメイク、濃いメイクなど)ノーメイクも顔色が悪く見え、元気がないような印象をあたえてしまうためNGです。また、まつ毛エクステが取れてしまっている方は要注意!お手入れがなされていないような印象を与えてしまうためNG。面接の前は必ずお手入れをしてから挑みましょう。

3.ネイルについて

ナースは仕事上、お客様の肌に直接触れる機会が多いため、ネイルケア・ハンドケアは重要です。しかし、香りがきついハンドクリームは控えましょう。

ネイルが欠けていたり、爪が伸びていたり割れてしまっていると不衛生・不潔な印象を与えてしまうためNG。最近では、受付カウンセラーだけでなく、ナースもネイルOKな美容クリニックがあります。

美容クリニックに来られるお客様の年齢層は幅広いです。派手すぎるカラー(蛍光カラーなど奇抜な色味)や大きなパーツが付いているような華美なものは、お客様によっては不衛生と捉えられる方もいますので控えましょう。面接では、必ず清潔感のあるナチュラルネイルがおすすめです。

4.接遇、言葉遣い

美容クリニックによって異なりますが、“患者さん”ではなく、“お客様”としてクリニックに来られる方々をお呼びします。どちらも間違いではありませんが、皆さんはなぜだと思いますか?

保険診療では、健康上の問題ために必要とされる治療を行うため“患者さん・患者様”とお呼びするのに対して、美容クリニックでは、現状をより良くするための治療となります。そのため、美容クリニックでは接客や接遇面が求められます。

親しみやすいさと馴れ馴れしさは全く別物です。病棟でお年寄りの患者様とお話しするときにため口で話していた方は要注意です。但し、かしこまった話し方は逆にお客様を緊張させてしまう可能性もあるためお客様の表情をみて、落ち着いた優しい話し方・正しい敬語を使うよう心がけましょう。

5.顧客満足度(Customer Satisfaction)とは

美容クリニックを運営するにあたり、顧客満足度を意識することは重要です。クリニックでは、他院との差別化を図り、戦略を練り日々試行錯誤し運営を行っています。

顧客に満足してもらうためには、「事前期待」を認識することが重要であると一般的に言われています。事前期待とは顧客が商品やサービスに対して持つ期待値で、「実際に提供される商品やサービスが、事前期待値を上回ったときに満足感が生まれる」といわれています。これは美容クリニックにおいても、当てはまります。いくら美容クリニックがお客様に喜んでもらえるだろうと考案した商品やサービスであっても、お客様が本当に喜ぶもの=事前期待に沿っていないものであれば顧客満足度と結びつきません。

・お客様のニーズ

・クリニックのブランディングや方向性

・クリニックの雰囲気

・施術内容やサービス

など、総合的にクリニックを捉えて、ドクター含むスタッフ全員で運営をおこなっています。クリニックの一員として、お客様に喜んでもらえるクリニック作りはとてもやりがいのある仕事です。皆さんには、クリニック運営についてもJSANで今後発信していければと思っています。

6.キャリアアップについて

看護師の能力を段階的に評価し成長を促すためのシステム「看護師のキャリアラダー」と、看護実践能力の育成を目的とした「看護師のクリニカルラダー」(JNAラダー)があります。

ラダー(ladder)は英語で「はしご」という意味があり、看護師のキャリアアップの基準を定めた指標です。

一方で、美容看護師におけるラダーというものは、現在ありません。美容クリニックでのキャリアは、社員の場合、研修期間を終えプレイヤーとしての勤務がスタートします。勤務中の態度や能力・業績に応じて、評価がなされ等級が上がります。もしくは、役職(マネージャー、外科主任、皮膚科主任、リーダーなど)としてプレイヤー業務とは別に、クリニック運営に関わる全ての業務を担います。

管理職だけが優れているわけではありませんが、それ以外のキャリアアップのランク等は存在しません。現場で、お客様対応をしているスタッフの中にはたくさん優れた方々がいらっしゃると思います。JSANでは、日本の美容医療業界で働く看護師さんのために、ラダーを設定し各レベル(勤続年数や経験値)において資格取得が可能となります。正しい知識・技術を身につけ、お客様が安全に施術を受けることが出来るようJSANでは学べる場を提供して参ります。

日本の美容医療業界では、常に新しい治療法・薬剤・機械等についての情報が取り入れられていますが、それらの情報を一スタッフが入手し職場のクリニックに取り入れることは難しいと思います。ラダーを設定することで、知識・技術の向上を目指し、効果的な施術法を身につけ、十分な能力があることを保証することができます。美容クリニックで働きたいと思っている方や、現在よりもキャリアアップとして学んでいきたい方のサポートができれば幸いです。

ラダーによって培われたスキルは、転職したとしてもあなたの強みとして様々な職場で活用することができるでしょう。また、評価段階に明確な指標が設けられることで、看護師の自己学習意欲を促し、適切な評価を受けることによるやりがいも与えることにも繋がるため、スタッフの教育の一環としてJSANをご利用いただくことも可能です。

7.保険診療から美容クリニックへの転身

大手美容クリニックでは、新卒・美容クリニック未経験者の方も応募可能ですが、個人美容クリニックの求人では、経験者を募集している所がほとんどです。

個人クリニックでは、少ない人数でクリニックを運営しているため、新人の教育に十分時間を割けないケースもあります。その点、大手美容クリニックでは、十分に人数もそろっており、教育体制も整っているため新人さんを受け入れしやすいのです。

また、臨床経験1年以上もしくは3年以上等、条件があるクリニックさんを多く見受けます。看護師資格はあっても、臨床での経験値はある方が実際の現場では活かされるため有利になります。基礎的な、看護技術・知識を持ち合わせている方であれば書類選考にて通過しやすいです。

8.美容医療についての勉強方法

美容看護師専用の参考書というものは、現在のところ存在しません。美容皮膚科の分野ではイラスト付きのレーザーについての知識・文献が乗っている書籍がありますが、美容看護師としてどういったことに留意して施術を行うべきか、などをまとめている参考書はありません。そのため、医学書を参考にされているナースさんも多いはず。でも医学書となると、かなり高額であり、文面も難しいですよね。

クリニックによっては、勉強会を定期的に開催している熱心なクリニックさんもありますが、忙しい業務の中勉強会の準備やスタッフの学習時間を十分に確保することは容易ではありません。また私自身も現役美容ナース時代は、今の自分の知識レベルはどれくらいなのか?年に一度の学会も良いけど、もっと日常的に学べる環境があれば、と感じていました。

看護師としての基礎知識はもちろん、美容ナースとしての必要な知識や技術力を向上するためにJSANでは各レベルに分けた講習・研修を用意しています。座学の講習・技術面では業者様や優秀な美容ナースの方々を講師に招き専門的な正しい知識の元、研修を行います。また、資格取得も可能なため更なる高みを目指して、私たちと一緒に学びましょう。